アラスカを巡る

初めての北極圏。オーロラなんて見れるのだろうか?などと不安になりながら、街明かりを避けてアラスカ・ルート6(Steese Highway)を北上する。 すぐに、空にモヤッとしたものが存在していることに気づく。雲なのか??
街を完全に抜け出すと、それはフロントガラス一面に広がり淡く輝きながら舞いだした。 ハンドルを持つ手が震えるのを抑えながら、揺らめく極北の地平線へ向けてアクセルを踏み込む。それは、オーロラを初めて見た瞬間だった。

秋、ブルーベリーの紅葉が大地を覆う。夕暮れは大地を一層濃く紅色に染め上げる。 太陽が西の空で最後の輝きを見せたあと、夜の帳が一気に大地を飲み込む。 星のざわめく音さへ聞こえそうな静かな夜。凛とした瞬間。その光の揺らめきは北の空から静かにやって来て、やがて天空を覆う。