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フィンランドの紅葉の森

管理人の名前は
      noriha
と申します。

旅行とドライブが好きな、
普段は普通の会社員です。

【旅の始まりについて少々‥】

私が最初に車で旅行をした国はフランスだった。
ロワール川流域の水辺と深い緑に囲まれた美しい都市に見とれながらの道を進む。川辺に下りると、植物の種子の一部なのか、綿のようなフワフワした物体が雪のように舞い幻想的。
そして、南国を思わせる日差しにつつまれたプロバンス地方では、ヒナゲシの咲く田舎の小道を迷いながら走る。迷っているのだが、消して慌てる事はない。走り疲れたら、花畑と化した休耕地で一休み。

次に訪れたのはアメリカ合衆国。
一転、荒れ果てた荒野であったのだが、これも日本人の私には新鮮に映る。
丘から下る道では、眼下に広がる平野に浮雲の影が転々と続く。下り坂の重力で自然に加速すると、曲がることのないその道路をひたすら走り続ける。圧倒的に広い空間で、唯一変わってゆく景色が雲。その雲を追い越すたびに数えながら進んで行く。
時には暗い雲から逃げながら、時には夕立ち雲に挑むように突き進みながら、天気でさえ自分の思うままだった。

ある日、入り組んだ崖の構造を抜けてなだらかになってきた大地を走っていると、茶褐色の風景の隙間に青いしみのようなものが張り付いているのを窓越しに見つけた。しばらくアクセルを踏み続けると、それは徐々に大きくなり、不思議な青色に輝く。
‥ それが、レイク・パウエルを始めてみた瞬間であった。
そして、「宝石のような」、という言葉を思わず自分で使ってみたくなった瞬間でもあった。

それから、忘れられない光景のひとつがクレーターレイク。
深い森に囲まれた山頂のカルデラ湖。日中は、差し込む太陽の角度により深い水の青の色合いが移って行く。そして日が傾き、湖面いっぱい夕日の色に満たされて一日を終えたその後は、野生動物たちが闇の中から蠢き出す。
最後の観光客となり慌てて帰る道の途中、暗闇の中、ヘッドライトに突然照らされた大きな角のあるシカに急ブレーキをかけた。シカの目がきらりと光る。
そんなこんなで、冷や汗をかきながら下山する途中、フロントガラスに幾つかの光が張り付いているのが見えた。カーブで曲がるたびに見かけの角度を変えるのだが、同じ方位から照らしているようだ。遠い街明かりなのか? いや、まだそこは深い森の中のはずであった。
ある所で車を止めて、動物たちの影に怯えながらも外へ出てみると、気が付いた。
そこにあったものは、夜空だった。それは、まさに、降るような星々だった。

次は旅はオーストラリア。このときは、10000kmぐらいの旅となった。
延々と続く赤い大地。走っても走ってもさっき見た光景がまた続く。
川は大地にその枯れた跡を残すだけ。こと内陸部では何日も水のある景色を見ることはない。
信号機というものの存在すらも忘れてしまった何千kmもの道のり。
たまに目にする標識は、集落を過ぎるときの次のガソリンスタンドまで何百kmというヤツだ。
かくして、大地の大きさを実感する旅となった。


それから、カナダ、ニュージーランド、北欧、スイス等々と旅を繰り返す。
かくして、走った距離は7~80000km。
このサイトに旅の記憶を綴る。

ニュージーランドの海の見える丘

好きな道      -    丘から駆け下りる道

丘の上をカーブに沿って旋回した後、
うねる斜面に煽られたような加速度を感じがら、
鳥になった気分、とでも言うのだろうか、
ゆっくりと地上へと舞い降りた。
    ~ニュージーランド・オタゴ地方にて~

オーストラリア北部の湿原

好きな場所      -    道端の少し先

幹線を外れて、湿原の小道を走る。
冠水による行き止まりは覚悟の上の、ちょっとしたドライブのつもりだった。
窓越しからは湿原に反射する太陽の瞬き。それが、木立の隙間からチラチラと私を誘惑する。堪らずに車を止めて、ぬかるんだ暗い林の中を光の方向に歩いてみた。
と、ようやく、周囲が開けた場所にたどり着いた。まばらに咲く白い花。そこには誰にも手を付けられていない静かな空間が横たわっていた。
      ~オーストラリア・カカドゥ国立公園にて~


青い南氷洋

好きな色      -    特別な青

雲のない晴れた日の海。澄んだ深い青空の反射。海底の白砂と、それを奥まで照らす高い日差。そして、穏やかな風と波。  ‥ そんな条件が重なり合ったとき時、輝くような青い色が生まれた。
    ~オーストラリア・南氷洋の浜辺にて~

オーストラリア・カカドゥ

好きな時刻
     -    夕暮れ、人々が去った後の静かな時間

鳥たちが慌しくねぐらに戻り、森や沼の奥深くに潜んでいた動物たちが静かに目を覚ます頃。
足元にはワニがゆっくりと泳いでいる。
日中でさえ、人間たちが行き来していたのは道路沿いのほんの一部だったのだが、そのわずかな支配権も彼らに返す時だ。
私も、夜が更ける前に宿へと急ぐ。
    ~オーストラリア・カカドゥ国立公園にて~